2014年7月3日

 昨日はイメージなんたらいう映画館で、ジャック・タチの映画を観た(あすこに行くたび渋谷の坂の多さに憤慨する。歩きながら「なにが映画だ、映画はばかの観るものだ、無くなれ」とかの邪智暴虐な宮益坂を除かんとわたしは激怒した)。観たのは「左側に気をつけろ」「ぼくの伯父さんの授業」「ぼくの伯父さんの休暇」の3本立。「右側に気をつけろ」を観たことだし「左側に気をつけろ」は何としても観なくっちゃねと思って行ったのに、肝心の「右側に気をつけろ」を断片的にしか覚えていなくて、というか多分断片的な映画で、というか映画は断片的ですよね。いま「左側に気をつけろ 右側に気をつけろ」で検索してみたけど、曖昧な情報しか得られなくて(ゴダールのシャドウボクシング?二つの映画の馬鹿馬鹿しさ?)、もしかしてみんな何も分かってないんじゃないかと思ってる。どうなんですか。
 どれも映画が楽しかった頃の映画だった。そう言えばファズビンダー特集アットオーディトリウム、今月だと勘違いしていたら明日までだった。超ド級に悲しい。


 最近知った綺麗なものをいくつか。

 そして、二つの瞳を見張つた時、そこに美しい人の姿が仄見えた。
 紫地に荒い立縞のコートに細やかな身を包んで、綺麗な襟もとに、ふつくらと合つた青磁の薄紅の鹿の子しぼりの半襟が可愛く、なまめいて、胸の四角なみちゆきの中に、のぞいて生える。
 おとなしやかに、さしうつむく顔は、小雨の霧に包まれて、ヴヰールをかけた仄に浮かぶ京人形の笑顔の様に、ふさ子の肩ごしに見える。
(吉屋信子『花物語』)

 さはいへどそのひと時よまばゆかりき夏の野しめし白百合の花

 二人にて常世の春を作れりとわれなほ半(なかば)思はるるかな
(いずれも与謝野晶子)