2013年3月30日

 夜眠れなかったので羊を数えていたら、これまで私が寝落ちしたために数え切れなかった羊の行方が気になりだした。彼らは目の前にある柵を右から左に飛び越えていくので、柵の右側にはそれこそ数え切れない程の羊が数えられるのを待っているはずなのだ。私は気の済むまで数えたら用済みと言わんばかりに眠りに就いて彼らをお座なりにする。最後尾に居る羊は20年近く待っているかも知れない。いやそれならまだ良い方で、私が生まれる直前に死んだ人の数え切れなかった羊が繰り越される制度だったとしたらもう、途方に暮れる程長い時間待ちぼうけを食っている事になる。残酷な制度だ。これと似た感覚が『トイ・ストーリー3』というアメリカのアニメ映画を観た時にもあって、自分がこれまでドカドカ捨てていた(いつ、どういうきっかけでかは覚えていない)おもちゃたちを想像して高校生の私は戦慄した。
 こういう風に重要な物事をテキトーに扱ったり忘れたりして生きているんだな、最悪だな、とメコメコにされていたら先輩に800円返していない事を思い出した。