2014年8月1日

 夏休みという響きは何故かくも人々をうきうきたらしめるのか。昨日は百貨店で化粧品を購入し映画館へ行ってチケットを購入、喫茶店で珈琲とババロアのセットを購入し、ほげーと言いながら読書しつつ男の登場を待った。二階は涼しかった。やがて男がやって来てしばらく二人で、ほげーと言って、映画館に移動しホドロフスキー翁の最新作「リアリティのダンス」を観た。現ホドロフスキーが、海に身を投げんとする幼少時代の自分を抱きしめながら「苦しみに感謝しなさい。それによって今のわたしになれる」と言うところがあって、先に観ていた友人が「いやー陳腐だけど、魂が救われるって感じの感じよ」と評していた意味が分かった。
 前にも書いたけれどルソーが「告白」という本で、告白の材料となる問題はそれが切実であればあるほど、個人的であらばあるほど、惨めで滑稽なものなのだ、つらい、と言っていたけれどまさにこの映画がそうであった。ホドロフスキーも彼の両親も愛その他の切実かつ個人的な問題に切迫していて、それゆえ笑えるシーンが結構あった。ていうかふつうに笑った。「グランド・ブダペスト・ホテル」は一瞬も笑わなかったけど、これは笑った。笑ったあとに、もしくは笑いながら「魂が救われるって感じ」がやって来て心臓がギュンとなった。それと過去にめっちゃしんどかった頃のことを忘れず懐かしまず抱きしめることが出来るというのは、すごいなと思いました。なのでわたしも80歳まで生きられたらそういった気持ち・気分でいたいと思いました。

 いまは友達がくれたCoconut Recordsの歌を聴いています。最近は山本精一の「ファルセット」というCDを買いました。