初めてiPodを買ったのは中学3年生の終わり頃か高校1年生の始めの頃で、そのときはピンク色のiPod nanoだった。でもすぐに容量が不足し仕方なく1年後の誕生日だか正月だかにclassicを購入。これが去年の春頃までずっと使っていたもので、今回復活したiPodである。つまりこの先代のiPodはわたしが最も多感であった(仮)約6年の音楽の趣味が凝縮されており、東は古いアダルトゲームのサウンドトラックから西はアイヌ民謡までを詰め込んだ記念碑的作品だったのである。直ってめちゃくちゃ興奮している。
ついでに言うと昔親しくしていた男から貰ったというか「聴いて」と言われて渋々入れた楽曲が結構あり、わたしは同じ曲を繰り返し聴きまくるきらいがあるので(セルジュ・ゲンズブールの「唇からよだれ」という曲だけ約半年で400回くらい再生している)聴かずじまいだったものも多分にあった。今回改めて先代のラインナップを眺めてみたところ、今のiPodにしてから知った人間も居て、うち一人がNujabesで、いま聴いています。この名前を知ったきっかけも、また別の親しくしていた男によります。こういうの気色悪いと思います。自分の趣味が男の趣味に影響されるのは格好悪くて嫌なのだけど、みんなしてイヤホンを女の耳に挿入したがりやがって。男というのはみな音楽を好きなのか、わたしが音楽を好きなのか、それとも音楽を好きな男を好きなのか、といったとりとめのない有象無象を、台風の晩に考えている。何一つ感傷を挟むこと無く、じっとりと汗をかきながら。